アートセラピストの「アートと暮らす」

アートセラピストとして活動するクエストのスタッフが現場の声をお伝えします。アートセラピー情報もタイムリーにお届けします。

受容する力

こんにちは、マッキーです。

週末は、アートセラピスト養成講座〈心理療法と自己分析を学ぶ〉の最終回でした。

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このクラスは、
内閣府所管(一財)生涯学習開発財団認定の
アートワークセラピストになるための必須のクラス。

だから、深層心理の理論や、
心がどんな風にアートにあらわれるのかなどを、
たっぷり学んでいきます。


ただ、それ以上に、このクラスでやり続けたこと。

それは『受容』なのかもしれない、と
修了式での受講生のシェアを聞いていて感じました。


人を、
一緒に学んでいる仲間を、
自分自身を、
受容する。


これは、心の筋肉を鍛える、
ものすごいトレーニングでもあります。


人は、受容できないことに直面すると、
苦しみを感じることが多いです。

“こんな自分は嫌だ”
“あんな出来事は起こってほしくなかった”

それが時にストレスになり、傷つきになり、苦しみになる。


でも、もし、

“あんな自分もいるし、こんな自分もいる”
“影と光もどっちも自分”

そう思えたら。

 

“あの出来事は私に何を教えてくれているのかな”

そう思えたら。

 

とことん、嫌だ、いやだ、イヤダー!!をした後、
もしそんな風に思えたら。
そこから、スッと道がはじまるような感覚になります。


でも、つい「受けとめやすい」「受けとめたい」自分だけを探そうとしてしまうんですよね。
だから、立派な自分、すてきな自分、人から好かれる自分をつくりたくなる。

そして、そうではないと感じる自分からはますます目をそらしたくなる。


でも、本当はそんな必要は全くなくて、
ただ、目の前の自分をいったん真正面から受け止めてあげる。

その存在に気づいてあげる。
本当の声を聞いてあげる。


それを繰り返しているだけで、
結果的に人は変化していくのかもしれない。

受講生を見ていて、そう感じました。


実際に、修了式では、
多くの受講生が自分の変化について話してくれました。


「自分は前に立つことは今までしなかった。でも、今はそれが楽しい。もっと表現したい!って思う」

「女性が多い環境は苦手だったけれど、ここでは安心できるようなった」

「強くなれた」


これらの変化は、彼らがとにかく自分と向き合い、
受けとめ続けた結果なのだろうと思うのです。

さらに言うなら、それは「変化」というより、
本来あったものの「発現」「表出」ともいえるかもしれません。


アートや仲間の助けを借りて、
知らないうちに受けとめる力が育って。


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だから安心して、本来の自分、もともとあった力が表出してきた。

そんな感じなのかもしれません。


そして、この『受容する力』こそが、
セラピストとしてのクライアントを受け止める際に必要な、
丈夫で、大きな器づくりにつながっていく、
とても大切な力なのだと思います。



半年前の初日、
「皆さんが皆さんの生き方にじっくり関わっていくクラスです」
ということばではじまりました。

そうして、半年後、
受講生は半年前よりも、強くなって卒業していきました。


その強さとは、
もちろん、立派な、すてきな、周りから好かれる人であるという強さとは少し違います。


そうではなく、
どんな自分も受けとめられる、
少なくとも受けとめようとする姿勢を持っている、
そんな強さです。


もし自分がクライアントだったら、
私はそんなセラピストに出会いたいなと思うから、
みんなのことをとても誇りに思います。


42期のみなさん、卒業おめでとう!

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変顔。。



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43期は、10月スタート!

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